OEM事例 中川政七商店様
中川政七商店様からの要望(依頼内容)
鋳物の鉄瓶をつくる職人さんによると、「作業性を考えたら軍手を二重にするのが一番」とのこと。熱伝導率が低い素材である綿で編んだ軍手を二重にすることでさらに熱が通りにくくなり、5本の指は自由に動かせるため。このアイディアをもとに、中川政七商店らしくアップデートして鍋つかみを開発したい。
石川メリヤスの提案と製品開発の流れ
二重にする軍手のうち1枚はパイル編みにすることを提案。パイル編みによって空気層ができることで断熱効果をさらに高めることができる。
二重構造のニット製品の生産は、石川メリヤスの得意とする分野である。定番商品の「ラブヒール」ソックスも2枚編んだ靴下を縫い合わせて二重構造にしているからだ。
しかし、製品開発は思いのほか難航した。まず、表生地と裏生地のサイズ合わせが難しい。表生地(平編み手袋)と裏生地(パイル編み手袋)の大きさがぴったり合わないと、手にはめたときに2枚がずれてしまい、熱いものがしっかり持てなくなることで落下事故につながる危険性が増す。2枚のサイズ合わせが商品づくりの肝だと考えた。
そこで、最適な編み機を選定し、編み目の大きさや目数を何度も作り直しながら検討した。
外側の軍手と内側のパイル編み軍手を手元で縫い合わせて1枚にする工程も難航した。中川政七商店が求めるデザインの実現も含めて試行錯誤し、10パターン以上のサンプルを作成。依頼から2ヶ月ほどかけて仕様を確定した。
世の中にまだない商品をつくり出す依頼内容だったため、原料選びから機械の選定、作業工程の決定に至るまでをすべてゼロから始めなければならなかった。それだけ大変だったが、発売から5年経った現在でも売れ続ける人気商品になったことで石川メリヤスとしても大きなやりがいとメリットがあった。
中川政七商店様の成果
「二重軍手の鍋つかみ」として全国の店舗で販売。好評を博し、全国の販売スタッフが実際に愛用している商品に投票する【わたしの好きなもの】の台所道具編で2位にランクイン。現在も売れ続けており、石川メリヤスの生産数は2万双を超えている。
・・・二重軍手の鍋つかみ
ご依頼主様からの『こんなものを作りたい』というアイデアだけお持込頂ければ、可能な限り形にいたします。
弊社自身も、自社ブランドの企画・生産・販売を行っているため、その経験を活かしたアドバイスをすることができます。
石川メリヤスへのOEMのご相談・お申込みは、お電話・FAX・メールにて承っております。
詳細はOEM(他社ブランド製品の製造)ページをご参照下さい