サイコロ 石川メリヤスマガジンVolume1
ラブヒールパッケージリニューアル
サイコロNo.1 / May 2019
photo_Osamu Watanabe text_Toyo Omiya
「社長交代の際、父からは『ラブヒールは死んだものだと思って新しいことに取り組め』と言われました」
三代目社長の大宮裕美は2016年の就任当時のことを振り返ります。
父親である二代目社長の石川君夫が1993年に開発し、最盛期には年間100万足も生産していたラブヒール。
生産量が減ったとはいえ、現在でも年間20万足は売れ続けています。
そして、お客様からの直接お問い合わせが多いのも特徴です。
「確かに新商品の開発もしていかなければなりません。ただし、お客様から支持されている限り、ラブヒールにはまだまだ可能性があります」
今後も長く愛される商品にするためには何をどうするべきか。
ラブヒール自体はシンプルなデザインで、抜群の温かさと履きやすさを誇ります。
その魅力をパッケージなどで若い世代にもわかりやすく伝えていく努力、すなわちブランディングが欠かせません。
三代目社長 大宮裕美。
1977年愛知県生まれ。一橋大学商学部卒。商社および中国の検品工場勤務を経て、2005年弊社入社。
主に企画営業を担当したのち、2016年代表取締役に就任。好きな言葉は「一針入魂」(造語です)
「将来的には全商品のリ・ブランディングを予定しています。そのためには石川メリヤスらしさという横串を通して、統一感を出していくことが大切です。まずは看板商品であるラブヒールのパッケージ刷新から取り組むことに決めました」
石川メリヤスらしさとは、シンプルに見える商品の中にも機能や使い心地へのこだわりが詰まっていること。
原料である糸選びから編み方、包装の仕方に至るまで、「毎日身につけても飽きが来ない」商品作りを全社員で追求しています。
リ・ブランディングの第一歩となる新パッケージに求めたのは、「10年後も使えるような色あせないデザイン」と「伝えるべき情報が目に飛び込んでくること」の2点。
石川メリヤスがデザイナーに選んだ相田貴子さんはどのように実現したのでしょうか。
「色あせないデザインとは、既存のお客様を維持しつつ新規も獲得できるものだと考えます。今までのパッケージで使用されていた色の印象を継承し、書体は作成済みの新しい商品カタログとの統一感を保ちました。パッケージをたくさん並べたときにきれいに見えるように意識しながら、小売店の機能性靴下売り場をリサーチ。その中で目立つ存在になれるようにオリジナリティを出したつもりです。キャッチコピーはパッと目に入るように大きな文字で上部に施しました」
パッケージには物流や販売現場への配慮も欠かせません。
相田さんは「なるべくコンパクトでムダのない形」と利便性を同時に目指したと振り返ります。
その結果、積み重ねると小さなBOXティッシュのように見えるパッケージが生まれました。
「お客様だけでなく、内職スタッフや販売員なども瞬時に種類が判別できるようにしたいと考えました。積んだときに見える側面に色を配置したのはそのためです」
パッケージをよく見ると靴下シルエットの小窓が開いています。
身につける商品には触れて確認したいというお客様の要望に応えたものです。
発売から25年の歴史を重ねてきたラブヒール。
今、新しいパッケージを身にまとい、第二のスタートを切ろうとしています。
パッケージカラーは全6色。パッケージの色はレディースとメンズ合わせて全6色。
これに薄型(ラブヒール同様のオレンジ)が加わり種類としては全7種類。
上記の他にも「ラブヒールが出来るまで」「ラブヒールの魅力と洗濯のコツ」など掲載しております。
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